北三陸・ジオポイント~川又川沿いの「枕状熔岩」観察経路は時間帯通行止!!

 三陸ジオパーク~久慈市山根町川又川沿いで観察できる「枕状溶岩」ジオポイントへの市道が10月29日から平成30年3月15日まで時間帯通行止めになっています。


 2016年8月30日からの台風10号による大豪雨、斜面崩壊、大量の土石流により川沿いを走る市道が路面路盤崩壊となり剥き出しの砂利道状態になっていて、その災害復旧工事が本格化し来年春先まで時間帯通行止めが続きます。


 この市道は川又川と長内川合流点で県道7号線に接続し、住民の皆さんにとっては久慈市街地や山根町下戸鎖・岩泉町へ向かう生活路線でもあり、早期の復旧が望まれるところです。


 はるか昔遠洋海域の海底火山で噴出した熔岩が水中で風船を膨らますように次々と固まり「枕状熔岩」が出来たわけです。その後海溝から陸側に付加され、今では北部北上山地・石灰岩地帯一角の下部を構成する中生代三畳紀後期(約2億2千万年前)の産物です。


 この枕状溶岩、北部北上山地では久慈市長内川水系流域や久慈川水系流域で確認できるだけで、その他には八戸市の恵比須浜に見られるだけです。


 三陸ジオパークのジオポイントとなっている「枕状溶岩」は形が明瞭で、川又川沿い、深田沢、沢山川、茅森沢などで点々と観察できます。


 2013年日本ジオパークに認定された三陸ジオパークですが、ジオパークではこの貴重な大地の資産を保全・活用しながらジオツーリズムなどの観光や社会教育を通じた地域振興に役立てることが求められています。


 この貴重な大地の資産が災害前の状態で復旧されるよう祈るところです。

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