7月9日「内間木洞まつり」があり、「内間木洞」の一般公開がありましたので岩手県指定文化財=天然記念物の確認を兼ね入洞してきました。
外は30度を超える猛暑、洞口に近づいた途端に道内の冷気シャワーを浴び、しばし快適なひと時を過ごさせていただきました。暑さのせいか当日の入場者は、これまでで最高とか!?
久慈市山形町内間木地区の「内間木洞」は、遠島山(1,263m)の北側山裾にあり、中生代三畳紀(約2億5,220万年~2億130万年前)に海洋で形成されたサンゴ、プランクトン、ウミユリなどの生物の石灰質分が堆積し固まり石灰岩となり、その石灰岩が雨風水にさらされ、陥没したり隙間ができたり、一度溶解したものが滴となって石筍を作ったり壁沿いに滴って石灰層の厚い膜を作ったりしながら石灰岩洞窟、鍾乳洞を形成したもの。
内間木洞は、岩泉町の「龍泉洞」や「安家洞」と同じ北部北上山地の安家石灰岩地帯に連なっています。北の九戸郡洋野町大野や青森県八戸市や階上町でも、この北部北上山地の石灰岩帯が確認できます。
石灰岩が作り出す独特な景観の一つに「ドリーネ」があります。石灰岩が雨水や地下水で溶かされ、その進行により鉢状のくぼ地となった物です。
下閉伊郡岩泉町の「江川ドリーネ」などがありますが、久慈市山根町にも白樺平牧野のカルスト台地があります。その白樺平には多くのドリーネがあり、今は牛の放牧で大部分が埋められてしまいましたが、雨で土砂が流されて「ドリーネ」の形が確認できる場所があります。白樺平に限らず普段は草木で覆われてしまっていますが、よく観察すると「ドリーネ」を容易に確認できる場合があります。
今回は洞内の確認用件でしたが、またの機会にでもお知らせしたいと思います。
内間木洞は総延長約6,350mで国内第五番目の長さと言われています。洞内には岩手県版レッドデータブック記載の絶滅危惧種コウモリを含む「二ホンテングコウモリ」「二ホンウサギコウモリ」「二ホンキクガシラコウモリ」など7種のコウモリや「ムカシエビ」などの微小生物も生息しています。
毎年2月には、天井から滴る水滴が凍り付いて最大2mほどの「氷筍」を創りだす様が「天然の芸術」として珍重されています。ライトアップされた氷筍の林立する様は幻想的で内間木の冬の風物詩とも言えます。
次回、2月の氷筍観察をご期待ください。
新川洞奥の底面を流れる清流!今回この新川洞方向の脚元は土砂で覆われ、陥没している部分もありました。
今年2月「氷筍観察会」以来の公開で、新川洞は昨年8月の台風10号大豪雨時に?水流が激しく循環したのかもしれません。
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